●
巻末付録 Q&Aでゼオライトに関する疑問が解決!
ゼオライトによる放射性物質の吸着・除去について
Q7 ゼオライトは本当に放射性物質を吸着できるのですか?
A7 ゼオライトが放射性物質を吸着することは専門家にとって周知の事実であり、数多くの実験で証明されています。
試験管内の実験では、ゼオライトがセシウムやストロンチウムといった放射性物質をほぼ100パーセント吸着することがわかっており、福島第一原発の汚染水についてもゼオライトによる浄化が行われて成果を上げています。
ゼオライトはプルトニウムに対してもその吸着力を発揮しますが、ヨウ素に関しては通常のゼオライトは吸着できません。ただし、骨格構造内にカルシウムイオンを入れた「カルシウム型ゼオライト」であれば吸着することができます。
Q8 ゼオライト水を飲用すると体内の放射性物質をより早く排出できますか?
A8 現在のところ、ゼオライトが人体から放射性物質の排出を促すことは証明されていません。しかし、羊や牛において、ゼオライトを摂ったグループと摂っていないグループで比較したところ、ゼオライトが放射性物質の排出を促していることが証明されています。当研究会の前山医師によると人体においても同様の作用があることは間違いないとのことです。
Q9 すでに体内に取り込まれてしまった放射性物質もゼオライトで排出できますか?
A9 ゼオライトは基本的には消化管から吸収されないので、筋肉や内臓や骨などに取り込まれてしまった放射性物質を吸着・排出することはできません。しかし、体内の放射性物質は血流に乗って小腸に排出されることがわかっています。小腸に排出されたセシウムなどの放射性物質は再び腸壁から再吸収されますが、そのときに消化管内にゼオライトが存在すると、その骨格構造にとらえられて体外に排出されると考えられます。
ただし、ナノレベルサイズにまで微細に加工されたゼオライトは腸管から血液中に吸収される可能性があり、その場合、細胞の周りにある細胞外液にまで達して、そこで放射性物質を吸着した後、腎臓を経由して尿と一緒に排出されると考えられます。
ゼオライト水を飲用している方の多くが、有害物質の排出に伴うと思われる尿の臭いの一時的な悪化を体験していることから、腸管から吸収される可能性は否定しきれません。その場合、全身にわたって放射性物質の吸着・排出作用を発揮していると推測されます。
Q10 ゼオライトに吸着された放射性物質は放射線を発しなくなりますか?
A10 放射性物質を含む福島県の土壌にゼオライトを散布したところ、その直後から放射線測定値が4分の1から5分の1に低下したという報告があります。
そのような現象が起きる理由はわかっていませんが、現時点での仮説として、ゼオライトに吸着された放射性物質に関しては、骨格構造(・80ページ)の物理的な遮蔽効果によって、その骨格構造の外側へ放射される放射線量が減少すると考えられます。なお、ゼオライト水と放射性物質の汚染水を混ぜた結果、放射線の量が減少したとの報告も出ています。
ただし、その一方で、福島第一原子力発電所において海中に漏出した汚染水の浄化に使われたゼオライトの土嚢が、吸着した放射性物質によって周囲よりも高い放射線量を示している事実もあるため、骨格構造による放射線の遮蔽効果の有無に関してははっきりとしたことが言えません。土壌における作用と水中における作用が異なる可能性もありますが、現時点で詳細は不明です。
いずれにせよ、ゼオライトが放射性物質を吸着していることは間違いないため、体内に摂取することには少なからずメリットがあります。
骨格構造に放射線の遮蔽効果があるとすれば、体内における酸化ストレスは軽減されますし、仮に遮蔽効果がないとしても、吸着された放射性物質は速やかに体外へ排出されるので害を最小限にとどめることになるでしょう。