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第4章 ゼオライトをさらに深く理解する
6.ゼオライトによるガンへの作用
ゼオライトは動物のガンを改善する
被曝について最も恐れられているのは、発ガンリスクが高まることです。
ガンとは簡単にいうとDNAの損傷で引き起こされる遺伝子の突然変異による細胞の異常な増殖であり、そのような突然変異は不健康な食事やストレス、喫煙や紫外線など日常的な要因、そして知らないうちに体内に入ってくる工業化学物質などによって起こります。
そのため、健康な人であっても1日に約5000個のガン細胞が体内で発生しているといわれます。それらの細胞は免疫細胞が攻撃して普段は事なきを得ていますが、何らかの原因で免疫系が正常に働かなかったり、生じてくるガン細胞の数が増えたりすると、ガンという病気として認知される状態に至るわけです。
これについて、同研究会の前山医師は次のように述べています。
「ガンの患者さんがこれほどまでに増えてきているのはなぜでしょうか? 一部のガンについてはウイルスが原因ともいわれますが、昔からそのようなウイルスは存在しており、人間はそうしたウイルスと、ある意味でうまく共生してきたはずです。そこで私は、重金属や化学合成物質が環境に増えてきたことが一つの原因になっていると考えます。それによってウイルスとのある種の共生関係が崩れてきたのではないでしょうか」
被曝による発ガンリスクを下げるには、免疫系を正常に働かせると同時に、遺伝子の突然変異を起こすそのほかの要因をなるべく排除すればいいということになります。そのときに、ゼオライトは免疫調整や工業化学物質の排出などの点で、発ガンリスクを下げることに寄与できることでしょう。
事実、さまざまな種類のガンを持つ22頭の犬を対象にしたアメリカでの動物実験では、14頭でガンの完全な消失、あるいは腫瘍サイズの縮小が見られました。
同研究会の鷲巣氏は岐阜大学応用生物科学部の研究室において、犬のガンに対するゼオライトの効果を数多く検証しています。
「犬の炎症性乳腺ガンに対してゼオライトを与えたところ、炎症が治まって疼痛もなくなり治癒へ向かった例があります。また、ガン組織が一週間で壊死した例や、前立腺ガンの手術までにゼオライトを飲ませてみたところ、腫瘍が半分ほどになった例などもあります」(鷲巣教授)
ゼオライトは人のガンに有効か?
では、人のガンではゼオライトはどう働くのでしょうか。
ゼオライトがガンの治癒を促進させるという報告は少なくなく、同研究会の前山医師も自らのクリニックでそのような例を数多く経験しています。
「私のクリニックではほとんどのガンの患者さんにゼオライトを使っており、良い手ごたえを得ています。患者さんの同意をとってゼオライトだけで治療したケースでは、肝臓ガンが完全になくなってしまいました。
また、ゼオライトには抗ガン剤の副作用を軽くする作用もあるようです。ゼオライトを使っていると抗ガン剤をやっていても体力が落ちてこないのです。どんな治療を行うにしても体力は重要です。動くことと食べることができるとさまざまな治療ができます。そういう意味で、ゼオライトはガン患者にとってメリットの多いものといえるでしょう」(前山医師)
ゼオライトがガンを改善するという経験をしている医師は決して少なくないようです。しかし、「ゼオライトがガンに効く」ということを言うには、大規模な臨床試験が必要とされるため、いまだ研究不足であるといえます。
とはいえ試験管内での実験では、ゼオライトが72時間以内にすべての種類のガン細胞を破壊することがわかっており、人体内においても有益な作用を発揮する可能性が示唆されています。
被曝による発ガンを心配する人々のためにも、今後の研究に期待したいところです。
ゼオライトがガンに有効であるとすれば、その理由は体内にある発ガン性のある有害物質を吸着・排出することによるものでしょう。
2003年の研究では、アメリカ人の成人の91パーセントから、167種類の有害物質が血液および尿より検出され、そのうち76種類は発ガン性物質でした。また、先ほど紹介した2004年の臍帯血の調査では、検出された287種類の有害物質のうち、180種類は発ガン性物質でした。
そのような発ガン性物質の多くをゼオライトが体外へ排出することが、ガンへの有効性の背景にあると現時点では考えられています。