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第3章 ゼオライトの応用例から、内部被曝防止の可能性を考える
医療分野におけるゼオライトの活用例
ゼオライトは医療分野にも応用されており、特に体内の有害物質を吸着・排出する作用について、さまざまな疾患の改善効果が期待されています。
ここでその主な活用分野を挙げてみましょう。
・放射性物質対策
ゼオライトは、1986年のチェルノブイリ原発事故のときに、その対策に使われました。セシウム137やストロンチウム90などの放射性物質を除去するために何トンものゼオライトが放射能汚染を受けた土地に散布されたほか、近隣国のブルガリアでは、体内の放射性物質を排出する目的で、子どもたちにゼオライト入りのビスケットやチョコレートが配布されました。
また、福島第一原発の事故では、汚染水の浄化のためにゼオライトを詰めた土のうを海中に投じており、その放射性物質吸着作用が確認されています。
・ガンの予防と治療
ゼオライトは、発ガンに関係するさまざまな有害物質を体内において吸着・排出するため、ガン予防、およびガン治療の有効な手段となりうると思われます。事実、さまざまな種類の末期ガンが治癒したという報告があります。
・重金属対策
重金属、特に鉛、水銀、カドミウム、ヒ素、アルミニウム、スズ、過剰鉄分など、さまざまな種類の重金属を吸着するための完璧な分子構造を持っており、それらを体内から排出します。これらの有害物質は、多くの病気の発生に関連していることがわかっています。ガン、アルツハイマー病、自閉症、認知症などの病気の原因物質を取り除く効果が期待されています。
・農薬、除草剤、ダイオキシンの排出
農薬、除草剤、ダイオキシンなどは、マイナスあるいは中性の電荷を帯びているため、ゼオライトはそれらを直接的に排出することはできません。しかし、そのほかの有害物質をゼオライトが排出することで肝臓の負担が軽減して、間接的に肝機能が改善するため、結果的に、農薬や除草剤、ダイオキシンなどについても体外への排出が促されることになります。
・ウイルス対策
体内の重金属の濃度が下がってくると、ゼオライトはウイルスの一部、あるいは構成部分に取り付き、それによってウイルスの複製(増殖)を食い止めます。さまざまなウイルスに対する抗ウイルス剤としての作用が期待されており、帯状疱疹、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、C型肝炎、風邪などの治療例が報告されています。
・免疫機能の向上
免疫機能を低下させホルモンの働きを阻害する有害物質、ウイルス、一部の病原菌が排出されることにより、体の免疫システムは本来持っている力を十分に発揮できるようになります。
・胃ガンの発生予防
ゼオライトは加工肉に含まれるニトロソアミンが消化管で吸収される前に吸着し、体外へ排出させます。ニトロソアミンは胃ガン、大腸ガン、・型糖尿病の発生要因とされている物質です。
・活性酸素対策
体の中でさまざまな害を及ぼし、細胞の老化(酸化)を加速するフリーラジカル(代表的なものは活性酸素)分子をゼオライトが捕捉して不活性化します。
また、後に紹介する改良型天然ゼオライトで処理した水を飲用することで、全身にわたる抗酸化を図ることができます。
・栄養素の吸収改善
改良型天然ゼオライトに関しては胃の中の伝染性細菌を減らす可能性が示唆されています。その場合、健全な腸内微生物が増え、消化吸収の働きが良好に保たれることになります。
・アンチエイジング作用
ゼオライトによって有害物質が排除されることで、体本来の修復・再生の仕組みが有効に働くようになり、結果として早期の老化を抑制します。
・止血作用
ゼオライトには高い吸水性があるため、傷口に外用として用いた場合には止血作用を発揮します。実際、アメリカ軍ではイラクなどの戦場でゼオライトによる粉状の止血剤を使用していました。
ゼオライトについてわかっているこれらの知見をベースにして、次章ではもう少し専門的な説明と、放射性物質の吸着・排出に関する実証例、そして、放射能から身を守る上での応用例について、具体的な事例を挙げて説明することで、ゼオライトの効用について検証していきます。